「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について多摩地区で議論する広場」

<田吾作の声> 東芝「解体」が意味するもの NO.170

 東芝の稼ぎ頭は半導体部門だがその分社化による切り売りで会社の経営維持を図るという。本体の主力は原子力部門でありその財務の悪化が経営危機の直接的な引き金となったのだから、この流れは名門会社東芝が原子力と共に自爆の道を歩み始めたと見るべきだろう。
 戦後経済成長を牽引した日本の電機業界だが弱電分野はとっくに淘汰され往時を知る者にとって面影はない。あるものは外資に買収され、あるものは昔の名前でとどめているだけだから、資本主義の勃興・発展・没落を知る生きた教材である。重電分野は三菱・日立・東芝が君臨したもののその一角が崩れ出したのが今回の東芝「解体」劇場である。そもそも何故重電メーカーが3社も存立できたかは日本企業の特異性を抜きには語れない。答えは国の屋台骨を背負うことでその関係を密にし、一体化した経営を行ってきたからだ。同様の例は鉄鋼や造船などでも見られ、それを象徴するのが「鉄は国家なり」という言葉だ。重厚長大産業が先進諸国の中で依然として幅を利かせているのは国家と一体化した日本だけである。
 一体化の代償として彼らは国策を企業経営に担わされてきた。フクシマ後に脱原発の流れが明確になったのに、推進政策を止めない国は重電メーカーに撤退で困っていたアメリカの原発会社を買収させ(それも吹っ掛けられた高値で)拡大路線を選択させたのだから罪は大きい。
 行き詰まりは三菱重工も同じだ。鳴り物入りで始めた豪華客船事業から技術不足で撤退し、世界的に需要が高まる中型機市場に本格的な国産旅客機登場と騒がせたMRJは一向に飛ぶ気配がない状態が続いている。制度的な限界は拭えない。
 理屈から言えば国の終わりの始まりでもあるが…。
(2017.1.30)
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<田吾作の声> 剥き出しの帝国主義の登場  NO.169

 早朝のテレビ中継でトランプ大統領の就任式典を見た。ワシントン・エスタブリッシュメントを代表するクリントンの敗北ショックから抜けきれないメディアは、式典への連邦国会議員の欠席の多さ・未だに過半数に達しない低い支持率・空前の大規模な抗議デモなどを取り上げて批判的な言辞を交えながら報道する。クリントンとトランプの本質的違いを認めない小生には、終始違和感を抱かせるものだった。
 今回の大統領選を巡っての大方の見解は既存権力への不満分子の反乱という単純な分析のようだが、大衆の不満を利用した権力側内部の強硬派による政権移動だと考えるほうが合理的である。有体に言えば第二次大戦の勝利者となったアメリカはナチスの生み出した科学・情報・戦力など全て引き継ぎ世界支配を成し遂げた。その戦略を合理化するイデオロギーとしてアメリカ型民主主義を振りかざし、意に沿わないものは悪に仕立て武力でねじ伏せてきた。要は帝国主義そのものであったが、民主主義という言葉で隠蔽されてきたのが、戦後70年有余の国際政治だった。武力をハードパワー、外交をソフトパワーと称した硬軟両様の使い方で世界を煙に巻きながらの戦略はこれまで大きな「効果」をあげたのは間違いない。
 資本主義の高度化はアメリカ国内での製造業の衰退をもたらし雇用を始めとした教育・福祉などの劣化が進行し貧富の格差が止まることを知らない状況を作り出した。増大する弱者の不満を巧みに誘導し政権を奪取したのがトランプだから、行き着く先は見えている。庶民の期待が幻滅に変わる時にトランプが選ぶのは外部に敵を作り得意の武力行使で愛国主義を煽る道だろう。剝き出しの帝国主義に悩まされる時代の到来だ。
(2017.1.22)

<田吾作の声> 技術をカネでなく人のために  NO.168

 年の初めである。NHKの論説委員が集まり将来予想を語る番組が深夜に放映された。勿論、シンゾウ政権の広報部隊に特別に期待する訳でないが、最近関心を持つ雇用についての討論は鼻白む内容だった。
 人工知能(AI)がどう社会に影響を与えるかという場面で、AI搭載車やAI内臓家電の例などが取り上げられ夢の新社会到来とプラス面が強調され、次いで生産現場での話に移った。その中で、現在は「能力の不足する」労働者が多くて人材不足に悩む企業経営者だが可成りの部分解決できるとし、問題は足りなくなるIT技術者の解消策が課題だという。揚げ句の果てには日本の大学が問題なのは、卒業しても即現場で使えない学生しか社会に送り出せないことだと思わぬ展開に。流石にこの発言には同僚から、教育は幅広い考えを学ぶ場で企業の意向を反映するところではない、と窘めれていた。
 ところで三菱総研がAIの普及で雇用は240万人減少するという報告書をまとめたという。AIやロボットが人間に取って代わったことでGDPは50兆円増加するというから資本家や投資家は大満足だろうが、駆逐された労働者はどういう生活が待っているか想像に難くない。勿論、現在のままの1%の富裕層がわれわれ99%の国民を支配するという構図が続くとの仮定だが、国民意識の転換を期待するしかない。
 ここで言いたいのは憲法でいう勤労権を根拠に、無制限の技術革新に歯止めをかける行動を起こすべきだということだ。先の亡国放送の論説委員のような勤労権の上に能力の可否を置き人を評価するような今の常識を変えねばならない。例えば技術が研究から応用段階に移る時には、必ず既存雇用者の雇用保障の義務化を条件とするのも一案だ。
(2017.1.10)
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