「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について多摩地区で議論する広場」

<田吾作の声> チェルノブイリの教訓   NO.129

 チェルノブイリ原発事故から30年の4月26日は各種報道が現地情報を伝えていた。それなりに事故の実相を知っていた積りだったが改めて深刻さを再認識した。立ち入り禁止区域には原発の周りを地元とする老人が多く住んでいること、それも年々死亡者が増えるため人員が減っていること、老人たちが現在でも高濃度放射能汚染の中で生活していることは、無知という言葉では理解出来るものではない。動物は成長期と違い成年期を過ぎれば汚染の体内進行が鈍化するとは言われたきたが、国家や社会の責任や存在をあてにしない彼/彼女たちの強い意志と覚悟を感じたのだ。事故直後は強制移住させられたが、放射能を運んできたと移住先の住民から邪魔者扱いさせられたという。日本でのフクシマや古くはヒロシマ差別と同じ偏見が起きていたのだ。
 報道の中で秀逸なのは東京新聞で、原発から60キロ離れた所に住む或る若い4人家族の5日間の食事調査を行ったら日本の食品基準100ベクレル/キログラムの10倍に達したという記事だった。特に主人は1615という高さであり、10歳に満たない子供の将来に責任を持てるのか心配になる。経済的理由が移住を妨げているとの説明があった。
 事故の4号炉を覆った石棺は損傷し絶えず放射能を放出しているという。新しい覆いをする計画はあるが、事故の完全終息は目途がたっていないということだ。
 ドイツではチェルノブイリ事故を契機に反原発運動が高揚しフクシマ事故が決定的となり脱原発に踏み込んだ。清く歴史に学んだドイツ国民と違って日本国民は性懲りもなく原発推進の姿勢を変えようとはしない。熊本地震で誰もが原発事故を恐れながら運転停止さえしないのだから世界中の物笑いの種だ。
(2016.4.27)
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<田吾作の声> 繁盛する人喰い業  NO.128

 人材派遣法という人身売買を合法化する動きが出てきた時、大きな反対運動が起きた。資本主義は全てのものを商品取引に引きずり込む仕組みだが、人間の尊厳に関わる労働力そのものの売買取引を禁じてきたのは、戦前の女工哀史や昭和恐慌時の農村女子の悲劇の歴史によるところが大きい。多くの反対の声を押し切り成立した法律だが当初の専門分野限定が今や野放し同然になって仕舞った。新社会人の目指す目標が一流企業でなくとも正社員という時代になりはて、派遣社員になった同窓生と比べささやかな優越感を感じる若人が珍しくない程だ。
 雇用破壊時代の主役である人材派遣会社だが、新手の手口としてわざわざ正社員を退職/転職させ手数料を稼ぐことに熱中しているという。それも業績好調企業に出向き、「儲かっている今だからこそ将来の非常事態に備えて手を打つべき」とコンサルする。合理的理由のない提案に社員が拒否すれば業務命令でその派遣会社に出向させられ、そこでの仕事は自分の(転職先の)仕事探しだというから酷い。出向時の賃金の一部は国の「労働移動支援助成金」が使われていて、雇用重視などというシンゾウの言葉が出鱈目なことを証明している。
 ところで『首切りブログ』という名のおぞましいタイトルのHPの存在には驚いた。その管理元が社労士ということにまた驚く。内容は法治国家でこんなことが許せるのかという退職の手口があれこれ掲載されている。さすがに厚労省は業務停止3か月にしたらしい。
 職探しを支援する筈が退職を勧める業務に変質した人材派遣会社だが、  実はこれこそが本質を露呈したと言うべきかも知れない。リストラビジネスという新たな業界が生まれているのだ。
(2016.4.21)

<田吾作の声> クマモトは警告する  NO.127

 一昨夜来、地震の話題が日本中を駆け巡っている。熊本地震と命名されたものの果して「熊本」に限定していいものか、大分や宮崎でも余震が広がっているのを知ると懸念が沸く。最初よりも今朝の地震の方が規模も大きく死者数も多かったことが不安を助長する。解説者によると最初のが前震で今日のが本震だというが、今後更に大規模な地震が起きて「実は16日のも前震だった」なんてことは予想されないことではない。ド素人の考えを非科学的だと否定できないのは、ことほど左様に地震のメカニズムの解明はすすんでいないのだ。何せ発生1分前に緊急地震速報が出るのが「予知」であり対策など講じようがないレベルだ。
 九州の上部分には玄海、下部分には川内と二つの原発があるが幸いにも影響はないと当局は発表している。一番肝を冷やしホッとしたのは九州電力だろうが、心配の募るのは四国電力だろう。何せ大分の横は愛媛であり伊方原発があるからだ。伊方は列島を真っ二つに裂く中央構造線断層帯の上にあるとして原発反対運動の大きな根拠とされた。今までは霧島火山帯との連続線上で懸念されたのが今回の地震で、二つの線のクロス上にあり最も地震発生確率の高い原発となったのだ。それは当然ながら長年の反対運動をカネと脅しで建設を強行しようとする中国電力の上関原発計画にも影響を与えざるを得ない。
 10年周期位で繰り返す大地震の度に日本人は苦しむのが古来からの宿命だった。ところが昔と違って今は、その度に原発は大丈夫かという余計な心配事を抱えている。自然災害に加えて人工災害を抱え込んでいるのだから宿命だなどと言えない。
今回の地震は一向に反省しない日本人に脱原発の決断を迫るようだ。
(2016.4.16)

<みうらのま> 産まない女、働かない男 ー 本能のレジスタンス

 GPIFが第二の「消えた年金」問題になりつつあり、安倍総理は2007年の参議院選挙を思い出して、アタマとお腹が痛いだろう。

 と同時に、「日本死ね」ブログ以来、待機児童問題が騒がしい。
 直接、政権を批判できなくなったメディアが、怯えずに良識を語れ・る避難場所を見つけたようで、少し、はしゃぎ過ぎにも見える。
 とくに野党は7月の参院選を前に、甘利氏の「政治とカネ」でも、安保法制の違憲性でも、アベノミクスの評価でも、TPPの是非でもなく、こんなことに時間を使っていいのかいな?という気もするのだけれど、この空気は、民主党政権夜明け前の2008年に似ていなくもない。

 派遣社員、加藤智大による秋葉原通り魔事件。小泉・竹中改革以来、増加の一途だった非正規雇用者が、サブプライム危機による雇い止めで失業、多くの人が自由経済路線に疑問を抱き始めていたのとあいまって、この事件は確実に世論の潮目を変えた。

 当時の雇用問題と現在の保育問題は無関係ではない。「介護や医療と同様で自由競争市場に馴染まない」という理由ではない。教育問題と雇用問題の核にある少子化問題と失業問題を「本質的には個人の問題ではあるが」という前提のもとに「行政のサービスが充分でない」とする量的解釈に私は与しない。

 私は両者を、連帯を失った時代における、個人の本能によるレジスタンスだと解している。
 潜在意識の奥深くで、産まない女達は、この社会の一部の人たちに仕える奴隷の生産を拒否し、働かない男達は国民勤労動員令のような「一億総活躍社会」に象徴されるバカみたいな空気に抗っているのだ、と。

 小学校で「将来の夢」というテーマの作文に、「ニートになりたい」と書いた甥っ子が今年、大学を卒業、見事に夢を叶えた。
 環境がニートを許さなくれば、彼も妥協して派遣社員として働くことになる。しかし、そこでも彼は彼なりの抵抗を続けることになるはず。髪を切ってスーツを着れば正社員として迎え入れてくれるような社会は、とうに昭和の遥か彼方。

 同様に、多くの女達が「産まない」ことで子供を奴隷として差し出すことを拒否するなか、あえて「産む」決意をした女達。待機児童問題などに表出する彼女たちの怒りの根底に、愛する我が子の成長を奴隷商人のような視線で見守る行政へのモヤッとした苛立ちがあるように感じる。

 相対的に微温くも見える今回の待機児童問題が、秋葉原通り魔事件のように、しかし、より穏健に、より力強く、より広汎に、アンダー・コントロールな国民を再び揺り動かすかもしれない。

<田吾作の声> 混迷深まるアメリカ社会    NO.126

 相変わらず無視できないのがアメリカ大統領選だ。トランプの発言は理性を失ったかのようでまるで突撃ラッパのように聞こえる。共和党主流派(いつの間に茶会も同穴らしい)は総力を挙げてトランプ封じ込めに躍起になっているらしい。良識や教養を欠いたトランプ現象だが現在のアメリカの知的レベルを投影するもので、富と軍事力で世界を牛耳って「正義」さえも自らの価値観で押し付ける大国の中身が単なるならず者に過ぎないことを改めて証明している。対極にある共和党主流派の考えが、平和や民主主義を重視するかと言えば決してそうではない。中東にオバマは軍隊を送る勇気がなくアメリカの影響力を低下させた、生活や健康は国民自らの自己責任であり国の関与はするな、乱射銃事件が相次いでも規制は反対だ等とする主張は本質的にはトランプと何も変わらない。
 早くからアメリカではトランプの立候補を工作したのは共和党を分断するための民主党陣営だとする報道があったが、最近の情勢はあながちデマと無視できない気がする。党大会で正式にトランプが指名される事態になれば、主流派支持者はクリントンに投票するという動きが報じられていたからだ。策が上手くはまりクリントンには朗報だ。
 民主党ではサンダースの追い上げでクリントンは焦りまくっているが、最終的には党規約による特別代議員の枠に守られ候補に決まるという分析が多い。そうなれば民主党内での矛盾は広がる。党員の多数意志を無視した候補が誕生しそれも共和党主流派の票を集めて大統領になるという前代未聞の事態が現出することになる。この上手く行き過ぎた策はクリントンには不名誉だろう。
 暫く低レベルの選挙報道を見逃せない。
(2016.4.12)
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