「国民の生活が第一、自立と共生、政治の根本について多摩地区で議論する広場」

<田吾作の声> 露呈したアメリカの行き詰まり  NO.119

 アメリカの大統領選が興味深い。4年に一度の本質は変わらない民主と共和両党による政権争いゲームだが今回は違った様相を呈している。その余波で民主主義のモデルと喧伝してきた日本のマスコミが動揺しているのを見るのは面白い。
 両党とも既存の主流派とは一線を画す対立候補が予想外の健闘で政党の基盤さえ揺らいでいる。女性初の大統領を目指すだけの民主党のヒラリーはサンダースに流れる若者を食い止めようと彼の「民主社会主義」的政策の取り入れに必死だ。TPP反対と明言するに至ってはオヤオヤ大丈夫かいなとつい余計な心配までしてしまう。本心から路線を変えるなら歓迎だが、運よく当選しても真剣になった国民は従来のような選挙公約の反故を許さないと思うからだ。
 共和党のトランプに至っては正気の沙汰とは思えない程のデマゴギーぶりでブームだというから笑い話では済まされない。彼に競り負けている主流派の二人は茶会やキリスト教原理主義がバックで反動的だが、トランプの主張の前には霞んでしまうから不思議だ。
 マスコミが異端候補と呼ぶサンダースとトランプの登場は、アメリカ社会の格差社会の深刻さが背景にある。両者の支持者は貧困層が多いということを各種調査が証明している。図式化すれば貧困層の単純な部分がトランプに流れ、歴史的に失業者層がムッソリーニを支持しファシズムの温床になったことに相通ずる。強い指導者を求めるのが特徴である。
 サンダースが政権をとれる程アメリカに自由や民主主義はない。最後は金融資本などの企業が動き、何等かの形でトランプ的な要素も含んだ民主共和の合従連衡が長期的には進むと予測する。ともあれ史上最悪の帝国が揺らいでいるのは間違いない。
(2016.2.29)
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<田吾作の声>教育軽視が貧困再生産の温床  NO.118

日本の大学進学率は先進国の中でもアメリカと並び圧倒的に高い。昔は進学の動機は学問への熱意の表れだったようだが、今や「大学位は出てないと」程度の尺度となった。戦後の流れを振り返ると義務教育を終えて高校進学が一般的になった時期は農・商・工などの実業に進む傾向があったがいつの間に普通高校が主流となった。それは大学進学が増えた現象と対をなす。駅弁大学と揶揄されるほど大学が乱立する時代が到来し今日を迎えている。この間学問という中身よりも学歴という肩書重視の世となり、大学の中には1年次の授業で高校レベルの反復を行うところもあるという。そうしないと専門教育についていけないのが理由らしい。

大学をビジネスと考える私学が増え(最近では国立とは言え独立法人化で同じ道を歩んでいる)年学費が200万~300万円というところがあるというから、戦後派の小生には驚きだ。当然ながら通学しながらのアルバイトが当然化し中には遊び代稼ぎのアルバイトも珍しくない。多くの学園では本屋が縮小し衣類販売やコンビニが幅を利かし学問の府といった趣はない。

ところで高等教育への公費負担割合をみると日本は先進国中で最低の13%であのアメリカの22%よりも低いという統計がある。それは教育の家計負担(私費)が高いことの反映でもある。最近、日本人のノーベル賞受賞が続いているが、それはかっての教育重視の時代の遺産に過ぎず、今後は望むべくもない。

問題は大学を出たけれど非正規職しか見つけられない層が増えていることであり、進学時に借りたローンの返済がどうなるかということだ。結婚は、住まいはと懸念する。貧乏人の子孫もまた貧乏人と宿命づけられる社会が次第に固定化しつつある。

20162.18

<田吾作の声> 終わりの始まり    NO.117

 日銀が金利をマイナスにする金融緩和策を打ち出した。遂にここまで来たかと思い、日本経済の深刻化と安倍政治の終焉を予感した。
 金融機関の日銀預入金利をマイナスにして金融機関の融資を増やし景気を上昇させる狙いだが、思惑通り行くとは素人の小生さえ思えない。民間の景気が高揚しないのは資金不足ならば納得できるが、小泉以来の大企業優遇政策でその多くは史上最高の内部留保を抱えているのだから借りる必要はない。かって優良企業の代表格だったトヨタをマスコミは「トヨタ銀行」と持ち上げたものだが、今や日本は銀行と名乗れる会社だらけだ。中にはセブンイレブンのように本物の銀行業に参入したところもある。シンゾウはあの手この手の景気刺激策をめぐらし中小企業向けの特別融資枠も設けたが、大部分の資金が金融機関に滞留したり融資を必要としない企業に無理に貸しるという実態もあった。今回も本当は株高を演出する見せかけの景気演出が狙いとしか思えない。
 アベノミクスは企業利益を最大化するだけで、大部分の国民の所得や雇用を切り捨ててきた歴史だった。今回のマイナス金利策も全く同じで、今後不況が深化すると手っ取り早く利益の上がる軍需産業のフル稼働を容認し、雇用先として自衛隊の隊員増加/徴兵制の方向へ向かうのではと懸念する。
 注意すべきは欧米にもマイナス金利の国が増えていることであり、低金利の時代が歴史的なものであるとの認識が必要性である。水野和夫は現在を17世紀以来の史上最低水準の金利の時代と警鐘を鳴らし、その原因を地球上から資本投資先が消滅したためとし従来型の政策の見直しを主張している。資本主義の断末魔から目を逸らしてはならない。
(2016.2.8)

<みうらのま> 橋下徹さんと直感的理解について 2/2

 橋下氏を支持する心情について書いた。
 それに対立する反・橋下氏の論理については本家が語っておられるので省略する。
 ところで、私は私の直感的理解にもとづき、国民全体における両者の比率は1割づつ、残りの8割は「あまりよくわからないし興味もない」層であると推測する。人の腸は善玉菌と悪玉菌が1割づつ、8割は日和見菌だとも聞くので、自然の在り方としても、それほど実態と離れた推測ではないとおもう。
 1割といえども、1千万人。読みきれないほどの情報がタイムラインを埋め尽くし、自分の周囲と世論調査の結果に違和感を感じる人もいるだろうけれど、総体としてみれば、政治によって社会を変えたい2割の国民がその手法をめぐり争っている、という構図に見える。

 でその8割の無関心な人のうち半分、4割くらいの人は義務感や強迫観念から選挙へと、重たい足をはこぶ。
 だもんで、橋下氏(的なるもの)をめぐる1割 vs 1割の議論の目的は、相互理解どころかディベートですらなく、ひたすら4割の人達へのアピールに主眼がおかれる。論理的矛盾が語尾の「キリッ」で相殺されるような言説(?)空間。これを傍目からみれば、プロレスのマイク・パフォーマンスみたいで、4割の人々はどこか鼻白んでしまうのも無理はない。

 そんな退屈な論戦ではあるが、いや、だからこそ、パフォーマンスとしてみれば、「壊せ、変えろ」といったシンプルな威勢の良さは、(少なくとも「変えては困るものを変えようとする政策を変えさせよう」といったカッタルイ主張よりは)有利に働くことになる。
 これが現代日本人の平均的な「直感的理解」だと思う。

 かくして、4割の方々の投票行動は「いーぞ、やれやれぇ」的心理によって橋下氏(的なるもの)の支持へと傾いていく。

 熱狂のマイク・パフォーマンスが終わって、ゴングが鳴る。
 5割ほど埋まった客席からは橋下氏(的なるもの)への声援だけが聞こえる。
「おろ?対戦相手とその支持者は何処にいるの?あ、全員がリングにあがっちゃってら!」
 くらいのことがないと勝負にならないのかも。

<田吾作の声> 「1条の人」の苦悩   NO.116

 天皇によるフィリピン慰霊の旅に感銘を受けた。ペリリュー島の時もそうだったが今回は現地フィリピンには百万人以上の犠牲者を与えたという日本の加害責任が重いだけに、その心中は如何ばかりかと推察した。人口比でみれば日本本土での死亡者数より多いのには驚き胸を打つ。
 かって個人的には天皇の戦争責任を問題視し天皇制自体の在り方にも疑問を抱いた。国歌君が代の歌詞そのものが、われわれに臣民の立場を強いるものと反発もした。民主主義憲法といいながらも第一章は天皇から始まる憲法の構成自体にも矛盾を感じたことを覚えている。だがその思いも天皇夫妻の誠実で真摯、無垢な姿勢にかき消される思いだ。平和憲法を象徴しているようにも感じた。
 日本の統治形態は権威と権力の二重構造になっているのが歴史的な特徴だと言われている。天皇自らが直接親政した後醍醐天皇の時代は例外に属するとし、現憲法で象徴と明記されたことは本来の位置づけに戻っただけと言う訳だ。
 問題は具体的な権力を保持する現職総理大臣安倍晋三の姿勢である。安保法制で万全の戦争準備をはかり歴史修正主義の考えで第二次大戦そのものの正当性を意識する一連の政策は、天皇の行動と真逆のものだからだ。現天皇の父昭和天皇とシンゾウの祖父岸信介は間違いなく戦前の二重構造を体現していた。だがその後を継ぐ両者のこの違いは何なのかを考えさせられる。
 日本はフィリピンはもとより中国、朝鮮をはじめアジア諸国民への侵略行為で口舌にしがたい犠牲を与えたが、その反省の証として生まれたのが現憲法である。9条を守るべきシンゾウが祖父と同じ考えで振る舞う中で、天皇の戦争への反省と平和への営為は続く。
(2016.1.31)
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